リハビリブログ Part.6 『肩関節不安定症に対しての術後のリハビリ』
2024.04.13
こんにちは。動物看護師の矢倉です。
今回は『肩関節不安定症に対する術後のリハビリ』についてご紹介します。
柴犬の女の子、ななちゃんです。
以前から左前肢のびっこがあり2023年10月に当院を受診しました。肩関節不安定症と診断、肩関節安定化の手術を行いました。
術後3ヶ月まではレーザー療法を継続して行いました。その後、2024年1月より、肩関節の可動域拡大と筋力強化を目的に週1回、計6回のリハビリに通っていただきました。
水中療法
水が苦手な子もいるため、少しずつ水に慣らしていきます。また、わんちゃんが好きなおやつやおもちゃを使い、怖がらずに安心してリハビリが行えるようにしています。
2024年1月(1回目)の水中での様子です。歩くスピードはゆっくりでしたが、患肢を着地して歩くことができました。黄色いピーナッツボールを置いて後ろに流されないようにしました。
6回目の水中での様子です。すっかり水にも慣れて、初めの頃より前肢は前へ踏み出すことができています。
キャバレッティ
おやつを使いながら、ゆっくりポールをまたいだりくぐったりしました。とても上手にできました。
腕立て伏せ
2月24日(3回目)のリハビリより、さらに前肢に負荷をかけるため、バランスディスクを使用しての腕立て伏せを開始しました。
最後に
リハビリ1回目と6回目で両肩関節の可動域測定を行っています。肩を曲げた時と、前に伸ばした時の関節の角度を測定しました。
1回目では、伸ばした際に20°の左右差がありました。6回目のリハビリ終了時、10°の改善が見られ、その差は10°に縮まりました。
左肩関節の可動域拡大により歩行はスムーズになり、自宅でも問題なく生活できるようになったため、2024年3月にリハビリを終了しました。
肩関節の手術後は少しずつリハビリを行なっていくことがとても大切です。リハビリについて質問等ありましたらご連絡ください。
湘南かまくら動物整形外科センター TEL:0467-73-8158