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寄生虫性疾患~肺吸虫~  

こんにちは。獣医師の永井です。
犬や猫の診療をしていると、よく遭遇する寄生虫性疾患。
今回は、その中でも比較的珍しい寄生虫のご紹介です。

肺吸虫は、自然界に広く生存しており、人も感染する可能性がある寄生虫です。その名の通り、肺に寄生し増殖するため発咳、血痰、気胸、呼吸困難などを引き起こします。感染源は、サワガニ、猪肉、鹿肉が多く、狩猟犬が生肉を与えられたり、猫が川でカニを食べたりすることで感染が成立してしまいます。

当院で診断した子は、レントゲン検査、CT検査で肺に多くの結節性病変があり、当初は腫瘍ではないかと疑っていました。診断のための組織生検を検討していたところ、飼い主様から、以前は山奥で飼われていたことをお聞きし、便検査で肺吸虫症と診断する事ができました。その後は、飲み薬で治療を行い、肺の影は消失しました。寄生虫に栄養を吸い取られて痩せ気味だった体重は、今では肉付きも良くなりました。

個人的な印象ですが、ワンちゃんに生肉を与える飼い主様が増えている気がします。寄生虫感染や、食あたりの原因になりますので、きちんと加熱していただく方が安全なのかなと思います。

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