意外と多い犬の皮膚のアレルギーについて
2021.02.03
皆さんこんにちは、獣医師の市村です。新しい年を迎え、寒さも本格的になって来ましたね!
さて、今回は犬の皮膚アレルギーについてです。
一括りに「アレルギー」といってもワンちゃんの場合は大きく2に分けられるのをご存知でしょうか。1つ目はアトピー性皮膚炎、2つ目は食物アレルギーです。今回はこの2つを掘り下げてお話ししようと思います。
2つの違いをざっくり分かりやすく言ってしまえば、
環境中のアレルゲンに対する免疫反応がアトピー性皮膚炎、
食事に含まれるタンパク質に対する反応が食物アレルギーとなります。
症状としては
アトピー性皮膚炎は、痒みから始まり、後に自分で皮膚を掻きこわしてしまい炎症や脱毛、色素沈着が生じます。
食物アレルギーの場合、これに加えて便の変化(軟便や、頻度の多い便)があらわれることもあります。
また、身体で痒みの出る場所も少し異なり
アトピー性皮膚炎は耳や顔、足の先(指の間)、脇の下、お腹周り、足や尾っぽの付け根など身体の内側に出やすく、
食物アレルギーは顔面、股の間、背中、耳、肛門周囲に出やすいとされてます。
ワンちゃんの場合、この2つのアレルギーを併発して持っていることが多いと言われています。
診断には、
初めて症状が出始めた年齢や季節、犬種、ノミダニの予防歴などを参考にして行います。血液検査も有用な場合があります。
治療としては、
皮膚に対して、内服による炎症(痒み)、増悪因子である細菌等の管理や、シャンプーや保湿剤による皮膚のバリア機能の改善をします。
食物アレルギーに対しては、まずは除去食と言ってフードの主タンパク質を制限していく方法があります。
皮膚の炎症を治療しても、すぐに再発したりする場合は、その原因としてアレルギーが隠れている事があるので要注意です!
皮膚のトラブルはとても多く、特に痒みは飼い主さんにも犬にとっても大きなストレスになります。うちの子、、もしかして?と思うところがありましたら、お気軽にご相談下さい!