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真珠腫性中耳炎、耳道亜全摘、鼓室胞切開

こんにちは。獣医師の永井です。

今回は、真珠種性中耳炎についてです。

真珠腫性中耳炎は、何らかの原因で鼓膜が破れて中耳(鼓膜の奥)に耳の上皮(耳垢を作る細胞)が入り込んでしまい、中耳の中が耳垢で一杯になり炎症を起こす病気です。詳しい原因などは、明らかになっていません。

今回治療させていただいたワンちゃんは、慢性的な開口障害(あくびを嫌がる、吠えられない)、摂食障害、触ると痛がるなどの症状があり、かかりつけの先生から紹介されいらっしゃいました。初診時は、顔に少し触るだけでキャンと鳴き、とてもかわいそうでした。真珠腫は再発率の高い疾患ですが、痛みをなくすために手術を計画しました。

一般的に、全耳道切除(垂直耳道+水平耳道)を行うと軟骨がなくなってしまうため、術後に耳が垂れてしまいます。この子の耳は立ち耳で、手前の耳道は炎症を起こしていなかったため、入り口はそのままにして術後に立ち耳が残せるようにしました。

鼓室胞の骨はとても脆く、半分ほど骨が破壊されていました。中に溜まった耳垢を綺麗にして、内張りする上皮を掻爬、最後に硬性鏡で確認して終了しました。

術中に制御できない出血があり急いで頸動脈を止めたり、術後から顔面神経麻痺が出たり、色々大変でしたが、本人はとても元気になりました。

数日でドライフードをボリボリ食べるようになり、あくびも出来るように。

元気になってよかったね!

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