肝臓腫瘍 肝葉切除
2024.10.24
こんにちは。獣医師の永井です。
今回は肝臓腫瘍についてです。
犬と猫における原発性の肝臓腫瘍はまれな病気であり、全腫瘍のうち1~2%と言われています。肝臓腫瘍は細胞の由来から、肝細胞腫瘍、胆管系腫瘍、神経内分泌腫瘍、間葉系腫瘍に分かれています。肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、腫瘍ができても症状が出ることはほぼありません。腫瘍がかなり大きくなった場合は、胃や腸を圧迫して消化器症状が出る場合があります。
犬猫の肝臓腫瘍は、孤立性のことが多く、手術で取り除くことができれば長期的な予後が期待できるケースが多くあります。多発していたり浸潤している場合は、対症療法や緩和ケアに移行し、内科治療を行います。
今回治療させていただいたワンちゃんは、数回嘔吐したとの主訴で来られ、各種検査で肝臓腫瘍破裂と診断されました。状態を安定化した後、CT検査と手術を行いました。術後DICになり、血漿輸血などを行いました。
手術と入院は負担だったとは思いますが、本人は持ち前の気力と体力で乗り切ってくれました。
水色丸:腫瘍、橙矢印:腹水
現在は、抗がん剤治療で通院してくれています。
これからも治療が続くけど、頑張ろう!