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膵臓腫瘍切除

こんにちは。獣医師の永井です。
今回は、膵臓腫瘍についてです。

犬猫とも、膵臓腫瘍の発生は非常に稀であり、1万頭に1頭ほどの発生率です。膵臓腫瘍は、内分泌細胞の腫瘍(インスリノーマ、ガストリノーマなど)と外分泌細胞の腫瘍に分けられます。症状は、体重減少、食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器症状が主ですが、インスリノーマでは低血糖に関連した症状、グルカゴノーマでは、高血糖に関連した症状も見られます。
治療は、対症療法か手術で取り除くかの2択になりますが、転移があったとしても症状の緩和のために手術が必要なこともあります。

 

治療させていただいた猫ちゃんは、慢性的な消化器症状と血液検査で高血糖が見つかったため、かかりつけの先生が超音波検査を行ったところ膵臓あたりに影があるとのことで、紹介されていらっしゃいました。超音波検査をさせてもらうと膵臓に2㎝ほどの腫瘤がありました。所属リンパ節の腫れはありませんでした。

 

この猫ちゃんは、高血糖と消化器症状があり、膵臓腫瘍の他に腸の異常も考えられたため、後日、膵臓腫瘍切除と腸生検を行いました。超音波検査上は、腫瘍は膵臓の端にあると思っていたのに、CTではやや中央にあったため、膵臓の左側を全て切除しました。術後は膵液が漏れないか心配でしたが、翌日からとてもリラックスした様子で、食欲もあったため一安心でした。

 

病理の結果は、「膵腺癌、膵アミロイドーシス、低悪性度消化器型リンパ腫」でした。

膵臓腫瘍は検出が難しいため、進行してしまっているケースもあります。腫瘍の悪性度によっては進行が早い場合もありますので、今後は慎重に転移チェックを行う必要があります。

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