リハビリブログ Part.5 『椎間板ヘルニアの術後のリハビリ』
2024.02.29
こんにちは。動物看護師の矢倉です。
今回は『椎間板ヘルニアの術後のリハビリ』についてご紹介します。
ビション・フリーゼの女の子、ムースちゃんです。
2022年12月に両後肢不全麻痺のため他院にて椎間板ヘルニアの手術を実施、2023年2月より当院にてリハビリを開始しました。当院でのリハビリに加え、自宅でもリハビリを行っていただいています。
初めのうちは車椅子を使わないと、自力で歩くことは困難でした。
初診時の様子です。院内にある車椅子に乗せたところ、後肢を動かし、楽しそうに歩いていました。車椅子を使うことで、ふらつきによる腰への負担を減らし、正しい姿勢での歩行訓練と同時に、ムースちゃんの意思で自立して行動することができるようになります。そのため、ご自宅でも車椅子を用意していただきました。
現在の様子です。少しふらつきはあるものの、補助なしでしっかり踏ん張って歩けています。リハビリを行っていくうちに、自力で立ち上がれるようになり、車椅子がなくても歩けるようになりました。今では、車椅子を使わなくても外でお散歩ができるようになりました。
水中療法
リハビリ1回目の水中での様子です。水中では歩行が可能でした。しかし、ふらつきがあるためライフジャケットを着用し、支えながら行っています。しっぽを刺激することで後肢の動きがよくなるため、指で刺激しています。
2024年1月(31回目)、水中での様子です。ライフジャケットによる補助やしっぽの刺激がなくても歩けるようになりました。さらに、水位を下げより体重負荷をかけたり、スピードを上げてもバランスをとりながら歩けています。
2023年4月27日(11回目)より、バランス感覚の向上を目的に水泳を開始しました。安全のためライフジャケットを着用し、支えながら行いました。後肢を動かす様子が見られました。
Sit to Stand
2023年6月(17回目)より、後肢の筋力強化を目的に、補助しながらの座位から立位への運動を追加しました。
2023年12月(30回目)の様子です。後肢が前に行きすぎないように、お腹の下に手を入れています。支えがなくても自力で立ち上がることが出来ています。
バランスディスク
2023年6月(18回目)より、後肢の筋力強化を目的にバランスディスク を開始しました。車椅子に乗った状態で前肢をバランスディスクに乗せ、より後肢に負荷がかかるようにしています。
2023年12月(30回目)の様子です。ほとんど補助がなくてもしっかり後肢に力を入れて、バランスをとりながら立っていられます。
キャバレッティ
車椅子を使わなくても歩けるようになったため、2024年1月(31回目)からポールをまたぐリハビリを開始しました。後肢にしっかり力を入れながらポールをまたぐことが出来ています。
最後に
ムースちゃんは約1年間、リハビリに通っていただいています。長期的なリハビリを行うためには、飼い主様の協力が必要です。さらに、院内で行うリハビリだけではなく『自宅でのリハビリ』も大切です。当院では、わんちゃんの性格や状態に合わせて自宅で出来るリハビリを考え、飼い主様に指導しています。
リハビリについて、質問等ありましたらご連絡ください。
湘南かまくら動物整形外科センター
TEL:0467-73-8158